夏休みに入りましたね~。
夏休みになりますと、各出版社から恒例の「夏の百冊」なるシリーズが発売されます。
『こころ』や『暗夜行路』のような古典的名作から、ベストセラーはもちろんのこと、出版社イチオシの作家の代表作・話題作などが目白押しです。
ま、例年そんなに代わり映えしないラインナップですけどね・・・。
先日、旭屋書店をウロウロしていると、そんな「百冊コーナー」を見つけました。
(ま、探すまでもなく、目立つところに展開されてるわけですが。)
今年のラインナップはどんなんだろう・・・と表紙を追っていると、こんな帯をつけた文庫本が目に留まりました。
「これがライトノベルだ」
ほほぉ、これまた大きく出ましたね~と感心しつつ手に取ってみると、確かに私も聞いたことのある文字が並んでいました。
『涼宮ハルヒの憂鬱』 谷川流(ながる)著 角川スニーカー文庫
かなりの人気シリーズらしいです。
ところで私は、ライトノベルという単語の存在は知っていたのですが、果たしてそのジャンルがどういった小説を指すのかという、根本的な部分に関しては、完全に勝手な思い込みしかありませんでしたので、
「これを読めば分かるのか???」
という、出版社の目論見にまんまとはまったバカな消費者よろしく、つい購入してしまいました(笑)
まず、ライトノベルというジャンルの定義ですが、やはり諸説色々とあるようです。
ウィキペディアに載せられている定義を流用させていただきますと、
アニメ調のイラストを多用していればライトノベル
キャラクターを中心として作られていればライトノベル
青少年(あるいは中高生)を読者層に想定して執筆されていればライトノベル
ライトノベルを発行しているレーベルから出ていればライトノベル
作家がライトノベルを書いてればライトノベル
下二つの定義は、ライトノベルの定義をライトノベルという言葉を使って説明してしまっているので、典型的な循環論法になってしまってますが・・・(笑)
まあ、私の勝手な感じからしますと、(つまり、読む前から漠然と抱いていたライトノベルに対する印象です)
1.アニメ・マンガファンが好んで読む小説。(従来の小説と違いメディアミックスが重要な要素になっている。コミック化、映画化、アニメ化がセットになっている。)
2.「萌え」要素のある小説。
3.現実的な世界を舞台としているが、そこに何らかの形で異世界・異世界観が混入している小説。
4.対象年齢が主に10代~20代前半になっている小説。
とまあ、こんな感じを抱いていました。
ウィキによると、この印象は結構的を射ていたようですね。
1・2は結局同じことを言っているのかもしれません。
恐らく、ライトノベルのキャラクターというのは、人気シリーズであればまず例外なく「フィギア」になっていると思われますし、事実私も日本橋で「涼宮ハルヒ」のフィギアを見たことがあります。
(今回本を読んで初めて、『あぁ、あれがハルヒだったのか(笑)』と気付きました。挿絵が付いてましたので。)
3は、いわゆるハイファンタジーといわれる系統や、ハードSFといわれる系統は、原則として除かれるということですね。
ハイファンタジーというのは、一度ここでも書いたことがありますが、広義にはトールキンの『指輪物語』を始祖とする完全異世界を設定したファンタジーのことで、狭義にはさらに「高尚な(何を高尚とするのかは難しいですが・・・)」「文学的な」「完成度の高い」といった、ファンタジーであり、かつ何らかの肯定的意義を有する作品に対して用いられる呼称です。
具体的な特徴としては、叙事詩的であったり、神話的であったり、英雄譚であったりしますが、世界創生に関わる内容を包含しており、かつシリアス・重厚な作風を持っている点が挙げられるかと思います。
ハードSFというのは、それが実現できるかどうかは別として、厳密な科学理論に基づいて書かれた作品のことです。またハイファンタジー同様に、シリアスなトーンで物語が進行し、大人の読書にも耐えられるだけの内容を持っている作品とも言えるでしょうか。
例を挙げれば、ハイファンタジーは『指輪物語』の他、アメリカの作家グッドカインドによる『真実の剣』シリーズ(最近ダレ気味で読んでませんが、最初の方は本当に面白いです。ハヤカワから出てます)、また国産では(読んでませんが・・(汗))恐らく栗本薫氏の『グイン・サーガ』シリーズもこの系統ではないかと思います(でも、違うかも・・・自信なしヽ(;・ー・)ノ)。
ハードSFは、クラークの『2001年宇宙の旅』、ホーガンの『星を継ぐもの』シリーズや、またハードSFの手法を踏襲した上で、さらに思索的な面を取り入れた、ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』(映画「ブレードランナー」の原作です)、バラードの『結晶世界』なんてあたりが有名でしょうか。
(一応、『グインサーガ』以外は、自分で読んだものを例に挙げました。)
一方ライトノベルというのは、中高生が主人公となり、彼・彼女らが、異世界へと強制的に連れて行かれるという、巻き込まれ型を主流にしているように思われます。
(これも切れ切れに入ってくる情報から推測(笑))
4については、従来青少年向けの作品は「ジュヴナイル」などと言われてきましたが、これは学校の図書室にも並べられているように、いわゆる「教育的に好ましい」作品であるという面を持っています。
が、当然ライトノベルは、そのように「教育的に好ましい」かどうかは全く関係ありません。
純粋にエンターテイメント小説であることが重要であると思われます。
で、いつものように長い前書きでしたが(・_・;)
本題の『涼宮ハルヒの憂鬱』、読んでみました。
コレ、大人気シリーズらしくて、以下溜息・退屈・消失・・・と続々出ているらしいのですが。
あ、ちなみに「涼宮」は「すずみや」と読みます。
「俺」の一人称で終始語られるのですが、主人公はタイトルにもある「ハルヒ」。
ハルヒは黙っていればものすごい美少女なのですが、横暴・強引・変人という、かなり迷惑なキャラクターです。
そのハルヒと「俺」の周りには、未来人やら宇宙人やら超能力者やらが(この話の主旨からすると必然的に)集まってきまして、世界の存亡を巡りすっちゃかめっちゃかの争いが勃発するというストーリー。
読後の最初の印象としては、「タイトルのつけ方が巧いな」と。
読む前は、「ヘンなタイトルだな・・・」と思っていたのですが(笑)
ハルヒが何者なのかが明かされたときに、このタイトルの意味がかなりシックリ来ます。
また、もともとが角川主催の「ライトノベル大賞」への応募作品だったということもあり、一冊でもそれなりに話はまとまっているな、とも思いました。
でもですね、私には正直、入っていけない世界でございました、ハイ。
「どこが面白いのか教えてくれ~ッ!!」
ってな感じでしてね・・・・。
うーん、一人称で語っているのに最後までテンポがダレないとか、そういう点は確かに審査員の皆様が激賞されたポイントとして納得できます。
小説初心者は「一人称で書くな」というのが鉄則ですからね、激しい思い込みに堕し易いという意味で。
世界観もそれなりにしっかり構築されているのでしょう、恐らく。
ハルヒという存在の謎を巡るストーリーであるという点も分かりやすいですし。
でも、私はほとんど引き込まれませんでした、ストーリーそのものに・・・・ファンの方すみません。
途中で一回寝ちゃったくらいなんですよねぇ・・・・。
ま、やっぱり私が対象年齢を大きく逸脱しているという点に問題があったんでしょうかね(涙)
でもですね、さっき知ったのですが、場合によってはライトノベルに分類されることもあるという(私は、それらの作品がライトノベルになるとは思ってもみなかったのですが)、
『銀河英雄伝説』 田中芳樹著 (現在は創元SF文庫から刊行中)
『十二国記』シリーズ 小野不由美著 (講談社文庫)
この二つのシリーズは、とっても面白いと思うのです。
特に後者は、ヒロインがモトは女子高生というあたり、対象年齢が明らかに青少年層なんですが。(が、実は私自身が高校生のときから読んでるという点も申し添えておきます・・・Σ(゜д゜|||))
うーん、ハルヒって続編の方が面白いのかなぁ・・・。
だって、世間で騒がれてるなら、もうちょっと面白くてもいいと思うんですよね・・・(失礼発言?)
もうちょっとリサーチしてみますか(笑)
夏休みになりますと、各出版社から恒例の「夏の百冊」なるシリーズが発売されます。
『こころ』や『暗夜行路』のような古典的名作から、ベストセラーはもちろんのこと、出版社イチオシの作家の代表作・話題作などが目白押しです。
ま、例年そんなに代わり映えしないラインナップですけどね・・・。
先日、旭屋書店をウロウロしていると、そんな「百冊コーナー」を見つけました。
(ま、探すまでもなく、目立つところに展開されてるわけですが。)
今年のラインナップはどんなんだろう・・・と表紙を追っていると、こんな帯をつけた文庫本が目に留まりました。
「これがライトノベルだ」
ほほぉ、これまた大きく出ましたね~と感心しつつ手に取ってみると、確かに私も聞いたことのある文字が並んでいました。
『涼宮ハルヒの憂鬱』 谷川流(ながる)著 角川スニーカー文庫
かなりの人気シリーズらしいです。
ところで私は、ライトノベルという単語の存在は知っていたのですが、果たしてそのジャンルがどういった小説を指すのかという、根本的な部分に関しては、完全に勝手な思い込みしかありませんでしたので、
「これを読めば分かるのか???」
という、出版社の目論見にまんまとはまったバカな消費者よろしく、つい購入してしまいました(笑)
まず、ライトノベルというジャンルの定義ですが、やはり諸説色々とあるようです。
ウィキペディアに載せられている定義を流用させていただきますと、
下二つの定義は、ライトノベルの定義をライトノベルという言葉を使って説明してしまっているので、典型的な循環論法になってしまってますが・・・(笑)
まあ、私の勝手な感じからしますと、(つまり、読む前から漠然と抱いていたライトノベルに対する印象です)
1.アニメ・マンガファンが好んで読む小説。(従来の小説と違いメディアミックスが重要な要素になっている。コミック化、映画化、アニメ化がセットになっている。)
2.「萌え」要素のある小説。
3.現実的な世界を舞台としているが、そこに何らかの形で異世界・異世界観が混入している小説。
4.対象年齢が主に10代~20代前半になっている小説。
とまあ、こんな感じを抱いていました。
ウィキによると、この印象は結構的を射ていたようですね。
1・2は結局同じことを言っているのかもしれません。
恐らく、ライトノベルのキャラクターというのは、人気シリーズであればまず例外なく「フィギア」になっていると思われますし、事実私も日本橋で「涼宮ハルヒ」のフィギアを見たことがあります。
(今回本を読んで初めて、『あぁ、あれがハルヒだったのか(笑)』と気付きました。挿絵が付いてましたので。)
3は、いわゆるハイファンタジーといわれる系統や、ハードSFといわれる系統は、原則として除かれるということですね。
ハイファンタジーというのは、一度ここでも書いたことがありますが、広義にはトールキンの『指輪物語』を始祖とする完全異世界を設定したファンタジーのことで、狭義にはさらに「高尚な(何を高尚とするのかは難しいですが・・・)」「文学的な」「完成度の高い」といった、ファンタジーであり、かつ何らかの肯定的意義を有する作品に対して用いられる呼称です。
具体的な特徴としては、叙事詩的であったり、神話的であったり、英雄譚であったりしますが、世界創生に関わる内容を包含しており、かつシリアス・重厚な作風を持っている点が挙げられるかと思います。
ハードSFというのは、それが実現できるかどうかは別として、厳密な科学理論に基づいて書かれた作品のことです。またハイファンタジー同様に、シリアスなトーンで物語が進行し、大人の読書にも耐えられるだけの内容を持っている作品とも言えるでしょうか。
例を挙げれば、ハイファンタジーは『指輪物語』の他、アメリカの作家グッドカインドによる『真実の剣』シリーズ(最近ダレ気味で読んでませんが、最初の方は本当に面白いです。ハヤカワから出てます)、また国産では(読んでませんが・・(汗))恐らく栗本薫氏の『グイン・サーガ』シリーズもこの系統ではないかと思います(でも、違うかも・・・自信なしヽ(;・ー・)ノ)。
ハードSFは、クラークの『2001年宇宙の旅』、ホーガンの『星を継ぐもの』シリーズや、またハードSFの手法を踏襲した上で、さらに思索的な面を取り入れた、ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』(映画「ブレードランナー」の原作です)、バラードの『結晶世界』なんてあたりが有名でしょうか。
(一応、『グインサーガ』以外は、自分で読んだものを例に挙げました。)
一方ライトノベルというのは、中高生が主人公となり、彼・彼女らが、異世界へと強制的に連れて行かれるという、巻き込まれ型を主流にしているように思われます。
(これも切れ切れに入ってくる情報から推測(笑))
4については、従来青少年向けの作品は「ジュヴナイル」などと言われてきましたが、これは学校の図書室にも並べられているように、いわゆる「教育的に好ましい」作品であるという面を持っています。
が、当然ライトノベルは、そのように「教育的に好ましい」かどうかは全く関係ありません。
純粋にエンターテイメント小説であることが重要であると思われます。
で、いつものように長い前書きでしたが(・_・;)
本題の『涼宮ハルヒの憂鬱』、読んでみました。
コレ、大人気シリーズらしくて、以下溜息・退屈・消失・・・と続々出ているらしいのですが。
あ、ちなみに「涼宮」は「すずみや」と読みます。
「俺」の一人称で終始語られるのですが、主人公はタイトルにもある「ハルヒ」。
ハルヒは黙っていればものすごい美少女なのですが、横暴・強引・変人という、かなり迷惑なキャラクターです。
そのハルヒと「俺」の周りには、未来人やら宇宙人やら超能力者やらが(この話の主旨からすると必然的に)集まってきまして、世界の存亡を巡りすっちゃかめっちゃかの争いが勃発するというストーリー。
読後の最初の印象としては、「タイトルのつけ方が巧いな」と。
読む前は、「ヘンなタイトルだな・・・」と思っていたのですが(笑)
ハルヒが何者なのかが明かされたときに、このタイトルの意味がかなりシックリ来ます。
また、もともとが角川主催の「ライトノベル大賞」への応募作品だったということもあり、一冊でもそれなりに話はまとまっているな、とも思いました。
でもですね、私には正直、入っていけない世界でございました、ハイ。
「どこが面白いのか教えてくれ~ッ!!」
ってな感じでしてね・・・・。
うーん、一人称で語っているのに最後までテンポがダレないとか、そういう点は確かに審査員の皆様が激賞されたポイントとして納得できます。
小説初心者は「一人称で書くな」というのが鉄則ですからね、激しい思い込みに堕し易いという意味で。
世界観もそれなりにしっかり構築されているのでしょう、恐らく。
ハルヒという存在の謎を巡るストーリーであるという点も分かりやすいですし。
でも、私はほとんど引き込まれませんでした、ストーリーそのものに・・・・ファンの方すみません。
途中で一回寝ちゃったくらいなんですよねぇ・・・・。
ま、やっぱり私が対象年齢を大きく逸脱しているという点に問題があったんでしょうかね(涙)
でもですね、さっき知ったのですが、場合によってはライトノベルに分類されることもあるという(私は、それらの作品がライトノベルになるとは思ってもみなかったのですが)、
『銀河英雄伝説』 田中芳樹著 (現在は創元SF文庫から刊行中)
『十二国記』シリーズ 小野不由美著 (講談社文庫)
この二つのシリーズは、とっても面白いと思うのです。
特に後者は、ヒロインがモトは女子高生というあたり、対象年齢が明らかに青少年層なんですが。(が、実は私自身が高校生のときから読んでるという点も申し添えておきます・・・Σ(゜д゜|||))
うーん、ハルヒって続編の方が面白いのかなぁ・・・。
だって、世間で騒がれてるなら、もうちょっと面白くてもいいと思うんですよね・・・(失礼発言?)
もうちょっとリサーチしてみますか(笑)
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ハルヒは4巻からおもしろくなるそうですよ
わざわざご丁寧に教えていただきまして、とても嬉しいのです~♪