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2018/11/17 09:59 |
思い込みを訂正します
久々に本の感想など。

今回読んだ本は、例によって文庫本なのですが、今まで「どうせまたくだらないやろ・・・」と勝手な思い込みを抱いていたため、あまり手に取らなかった宝島社文庫です。

すみません、失礼なこと書いて(゜▽゜;)
でも、今まで数冊読んでるんですけど、「もういいわ・・・」とどうしても思ってしまうようなものばかりだったので。

しかし今回はその思い込みを修正したいと思います。

読んだのは、今話題となっている

『チーム・バチスタの栄光(上・下)』 海堂尊著 (宝島社文庫)

です。

毎度のことですが、「このミステリがすごい」で第一位獲得、という話題性に惹かれ(笑)出版社にためらいつつも、購入してみました。
が、一月くらいほったらかし・・・・(゜▽゜)

しかし、今週の木曜日の「ビーバップ・ハイヒール」のゲストに、著者の海堂氏が出演されていたのを見て、「やっぱすぐに読んでみよう!」と読書開始。
(ハイ、相変わらず影響受けやすいです(笑))

ちなみに「ビーバップ・ハイヒール」は、ハイヒールの二人が司会を務める関西のローカル番組です。
レギュラーには作家の筒井康隆氏Σ(゜д゜|||)、漫画家の江川達也氏、チュートリアルやブラマヨ、たむけんなんかが出演しておりまして、毎回テーマを設定して、その道のプロにレクチャーしてもらうという番組で、結構面白いです。

海堂氏は、現在の医療崩壊、それに伴い死因不明社会となっている日本に警鐘を鳴らすために出演された模様。

ご存知の方も多いかと思いますが、海堂氏は現役の医師でいらっしゃいます。
文庫本の解説にもありましたが、現代日本の医療危機を憂いて、この『チーム・バチスタの栄光』を書かれたのでは、と思われます。


では、感想など。

冒頭部辺りでは、結構肩肘張っているような感じで、描写なんかも「ちょっと格好つけすぎ・・・?!」と思わなくもなかったのですが、気付けばそんなこと気にならなくなっていました。

現役の医師だけあって、病院内部の人間関係やシステム、手術の描写などリアリティーに溢れていますし、その一方で、医療用語など分からなくても、まったく退屈することなく引き込まれてしまう筆力も持ち合わせている方です。

しかし、中でも面白かったのは、後半から登場する本作のホームズ役・白鳥

強烈な個性というのはこういうキャラクターを言うのだと思います。
どこまでも論理を重視する、正直ウザクて胡散臭い人物です。
しかし、憎めないのもまた事実。

本人曰く、例えば殴られてみたりすることもすべて計算の上での言動らしいのですが、それがどこまで本当なのか、単なる辻褄合わせじゃないの??と勘繰りたくなるような胡散臭さ。
決して人間味溢れるキャラクターではないのですが、ところどころに可愛らしさも見え隠れして、嫌われそうなのに嫌われない、そのさじ加減が絶妙です

で、最後には作者の思惑通り、白鳥の魅力にはまっているわけですが・・・(笑)

白鳥のキャラは、京極夏彦氏の著作に登場する榎木津礼次郎に通じるところがあります
榎木津ほど「オレ様」って感じでも非常識でもないですが、傍若無人さはいい勝負です。
榎木津がすきと言う方は、白鳥も好きだと思います。
(でも、白鳥は小太りらしいので、ルックスではまったく勝負にならないようですが。)

・・・・で、今気になってネットで情報調べてみたんですが。
映画の白鳥役って、阿部寛さんなんですね。
榎木津役も阿部寛さんだったじゃないですか・・・・(笑)
まあ、みんな受ける印象は同じだったということなのでしょうか(´Д`;)ヾ

しかし、主人公の「田口公平」が女性になっているとは許せん・・・・・・!!
竹内結子さんが主演っていうのをみて、「一体何の役!?」と思ったのですが、よくある話とはいえ、何と主人公の性別を変更しているとは・・・(笑)

まあ、主演が二人とも男性だと地味になるという演出上の都合もあったのでしょうが、あの人生を諦めちゃってますというような哀愁からかもし出される落ち着きぶりは、やはり中年男性ならではのものだと思うのですが。
(実際は決して人生諦めて投げやりって人物ではないんですが。作中にもあるように「仙人」然としたところのある人物です。)
そういうちょっとくたびれたトコロ、竹内結子さんからはまったく感じられないんですけど・・・・。

と、映画の方に話が逸れましたが。

映画は見ていないのでこれ以上は何も申しませんが、原作は私の「宝島社文庫は・・・」という思い込みを、見事に打ち砕いてくれました。

謎としてはそれほど凝ってはいませんし、完全な正解に自力で辿り着くためには医学的な知識も必要という点で、「犯人は誰だ?」と煽っている割に、純粋な推理モノではありません
(知識がなくても、「犯人はコイツだろうな、状況を考えると・・・」くらいの予想は可能です。)
動機はそれなりに考えさせられるとはいえ、犯人像もまあ、ありきたりといえばありきたりですし・・・・・(ややネタばれ気味!?スミマセン)

しかし、人を煙に巻くような白鳥流の聞き込みセオリーには海堂氏のセンスが光りますし、緊張感に満ちた手術の描写、脇役まで個性だっている点、そして読後感の清々しさなどこれが小説デビュー作とは思えない完成度の高さだと思います。

また、いやらしくない程度に現代日本の医療についての問題提起がなされていたりして、社会派的な面も伺えます。

この問題について、海堂氏は先日のテレビで語られていたわけですね。
今の日本では、死因が不明の遺体のうち、解剖されている遺体は、全体の2~5%に過ぎず、そのほとんどは警察の「事件性なし」という判断の元、ほぼすべて「心不全」として処理されているそうですΣ(゜д゜|||)

目立った外傷や毒殺時のような身体反応さえなければ、仮に殺された遺体だとしても「心不全」で片付けられてしまうのです。
実際に、完全犯罪が成立しているパターンも、結構存在するのではないかと思われますね・・・・。

本作は、このあたりのことを声高に主張したかったのだと思われ、きっちりクライマックスで織り込まれていてウマイです。
小説の演出上も劇的な効果を生んでいると思います。

未読の方は、お勧めです、読んでみてください。

でも、この小説、わざわざ上下巻に分ける必要なかったと思うんですが・・・・。
その点でかなりの割高感は否めません。
分冊されてなかったら、もっと満足感が得られたと思うんですけどね(゜▽゜;)
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2008/02/24 00:56 | Comments(0) | TrackBack(0) |

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