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2018/05/21 15:56 |
読書もしてました
久々に読書ネタです。
最近はゲームに没頭し、休日は私にしては珍しく外出が続いていましたので、ちょこっとペースは落ち気味だったのですが、やはり活字から離れる事は出来ません。

読んだ中で面白かった本や、話題作なんかをご紹介したいと思います。

まず一冊目。
『アルキメデスは手を汚さない』 小峰元著 (講談社文庫)
今ちょっとした話題になっている本です。
もともとは1973年に発行され、つい最近まで廃版になっていた小説です。

再版されたイキサツはと言いますと、今飛ぶ鳥を落とす勢いのベストセラー作家である、東野圭吾氏が、面白くて初めて最後まで読み通した本だ、とコメントしたことに端を発するんですね~。

東野作品をさほど読んではいない私ですが(だって刊行数が多すぎるんだもん・・・)、やはり読んだ作品は「面白いなぁ」と素直に感動してしまいますので、そんな人が読書に目覚めたという一冊なら、是非とも読んでみよう!と手に取ったわけです。

まず正直な感想。
今の時代に、しかもミステリを読み漁っている人間にとっては、さほど魅力的では無いんじゃないか・・・という感じでした。
(少なくとも私にはイマイチでした・・・)

主人公は高校生なのですが、その高校生にしても、何と言うか、「昔の高校生ってこんなに大人びてたの!?」とパンチを食らうような衝撃だけはあったのですが、ハッキリ言って感情移入は出来ませんでした。
まあ、時代もちょうど学生紛争の最中ですから、当時の高校生はそれだけ大人だったのかもしれませんが。
セリフとかがいちいち理屈っぽいんですよね・・・(汗)

また、謎も当然長編小説ですから、幾つか出てくるわけですが、それらの連関性というか、ストーリーとしての繋がりが、やっぱり甘い。
謎の解明も、「そんなのあり!?」って思わされますし・・・・(;´д⊂)
犯罪の動機に至っては、「・・・・・・・・・・・・( ̄。 ̄)y-~~」ってな感じで。

江戸川乱歩賞受賞作なのですが、今現在に至るまで、売り上げ部数では歴代受賞作のトップを記録している作品だそうです。
当時、飛ぶように売れたとのこと。
確かに、昭和の時代ならば、受け入れられた作品なのかもしれません。
ただ、現代の練りに練られたミステリを知っている身にとっては、それほど満足感を得ることは出来ないようなレベルの作品だと思いました。
まあ、ある種の作品にとっては、時代に合わなくなってしまうというのは避けられないことなんだと思います。


二冊目。
コチラもミステリです。
『水の迷宮』 石持浅海著 (光文社文庫)

著者の石持氏は、デビューしてまだ5年ほどの新鋭作家です。
文庫に落ちているのは、本作の他、『月の扉』『アイルランドの薔薇』(すべて光文社文庫)の計3作のみ。
ので、文庫・新書しか読まない私は、当然まだ3作品しか読んでいないのですが。

この方の特徴は、何といっても「悪人が出てこない」という点に尽きるでしょう。
(これ以降の作品では出てきてるかもしれませんが)
悪人でもないのに犯罪に手を染めなくてはならないという、犯罪を犯す側に、抜き差しなら無い事情があるわけですが、その事情というのが、「お金が無い」とか「復讐のため」というような、ありきたりの理由ではないんですね。
端的に言えば「理想のため」「ロマンのため」とでも言いましょうか。

本作『水の迷宮』なんか、悪人が出てこないという、まさに典型的なパターンです。
謎も何というか「美しい」
ロジック(謎解き)として美しいというよりは、謎を存在させている動機そのものが美しいと言う感じです。

『水の迷宮』というくらいなので、舞台は当然水族館なのですが、正直申しまして、最後のある水族館の描写に、涙が出そうになりました。

ただですねー、この石持氏の作品は、登場人物に悪人がいないという点をきっちり理解した上で無いと、素直に楽しめないんですね。
フツーの小説のつもりで読んでると、「こんなに大団円になるはずが無い」「こんなに出来た人間は存在しない」「深みがない」という、批判の嵐に陥ってしまいます。
舞台は現代の通常の世界なのですが、ある種のファンタジーだと思って読まれるのがよいかと思います。

石持氏は、話の展開や謎解きなんかも見事で、非常に力量のある方だと思われますので、そういう悪意の無い世界を描いているのは、確信犯だと思います
ですが、そういうある種の空想世界はちょっと・・・という方は、読まないほうがいいかもしれないです。
逆に、キレイな話を読みたい、という方にはうってつけの作家さんです。


3冊目。
『四字熟語ひとくち話』 岩波書店辞典編集部編 (岩波新書)

その名の通り、四字熟語を説明した本なのですが。
「ひとくち話」と銘打っているだけあって、タダの四字熟語説明本ではありません。
どちらかというと、四字熟語をネタにした、短いエッセイ集のような感じ

170ほどの四字熟語についての文章が、各一ページずつにまとめられています。
どれも語の説明の他、その語にまつわるエピソードや、執筆者自身の思い入れなんかが簡潔に述べられていて、非常に面白く読みやすいです。
複数の執筆者がいらっしゃるのだと思いますが、文体にバラつきがなく、どの方の文章もとても巧くて、「さすが岩波書店!」とヘンに感心させられてしまったりもします(笑)

載っている四字熟語は、3割くらいは聞いたことの無いものでしたし、知っている中でも、咄嗟には出てこないよな~というものもあって、読んでいるだけでも勉強になりました。
ですが、中でも印象に残ったのは「他山之石」

この四字熟語、もちろん「他のいかなるつまらない物事でも、自分の反省・修養の役に立つということ」という意味です。
他の山から出るつまらない石でも、自分の宝石を磨くくらいの役には立つ、というのがそもそもの原義です。
新解さん風に言うと、「アイツの失敗はひどかった。ああならないように是非ともアイツの失敗を他山の石として、心に留めておこう」くらいになるのでしょうか・・・・・(笑)

が、実は岩波書店の看板出版物である『広辞苑』には、この「他山の石」という項目が無いのです!
この新書から本文を引用しますと、「ここだけの話、『他山の石』は『広辞苑』編集部が最も触れたくない成句である」
・・・・そうだったんですか!!Σ(゜д゜|||)

さらに先を読んでいくと、その理由が明らかになります。
「編者の新村出(しんむらいづる)が、初版序文で、『フランスの大辞典リットレないしラルース等の名著・・・を他山の石として』などとやっており、辞典本体の解説は『よその山から出た粗悪な石』『自分より劣っている人の言行』なのだからつじつまの合わせようがない」・・・とのことです(笑)

初版の序文は削除できないとのことなので、毎回広辞苑編集部の方々は、心労を抱えていらっしゃることかと思います・・・(;゜д゜)

引用文から察するに、恐らく初版には「他山の石」が項目としても立てられていたのでしょうが、現在入手できる第5版(最新版)には、「他山の石」は載っておらず、代わりに「他山の石とする」「他山の石以て玉を攻むべし」という、「他山の石」の元の形が掲載されています(笑)
・・・苦肉の策だったんでしょうね(;´д⊂)

でも、新村出さんのようなすごい言語学者さんでも、用語の間違いを犯すことがあるんだ~、とちょっと安心したりして。
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2007/06/25 03:35 | Comments(0) | TrackBack(0) |

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