今日はブログ開始時から楽しみにしていた、高本一郎さんのリュートコンサートでした。
高本一郎コンサート・シリーズ
「リュートの楽園」 第一夜
於:ホテルニューオータニ大阪 チャペル「エンジェルズ・アイ」
年に二回ずつの開催を予定されていると言う事で、第二夜は九月、ゲストをお迎えしてコラボレーションでお送りします、とのことでした♪
私は開場が七時、開演が七時半からということで、七時過ぎに会場に到着したのですが、すでに結構な人が集まっていました。
スパニョラのマスターと、先代のマスターご夫妻(マスターのご両親です)が座っておられる席の、丁度後ろが空いていたので、運良く着席。ほぼ真ん中です。
開演20分前くらいには、もう満席で席のないお客さんが見かけられるほどの大盛況でした!!
(もちろん、後できちんとイスは用意されていました)
白壁のモダンな感じのチャペルが会場です。
版画家の山本容子さんプロデュースとのこと。
バージンロードにも可愛らしいタイルがあしらわれていて、可憐なリュートにぴったりです。
今回のプログラムは二部構成になっていて、前半と後半とで、ガラッと雰囲気の変わる、一粒で二度美味しい(この言い回し好きなんです・・・これからもブログ内でちょくちょく使うかと思います('∇'))コンサートでした。
ではでは詳細レポートです!!
七時半。高本一郎さんが会場にいらっしゃいました!!
手にされている楽器は「ヴィウエラ」という、もちろん初耳の珍しいもの。
1530年代~1580年代の約50年ほどを中心に、スペイン宮廷でのみ使われていた楽器とのことで、このヴィウエラのための楽曲を作曲したのは、たった7人しかいなかったそうです。残されている楽曲はかなりの数に上るそうですが。
楽器の形状はと言いますと、白木(これは、高本さんの愛器がたまたま白木作りだっただけかもしれません・・・あは)のミニギターって感じです。ただネックはかなり短く、糸巻きも横に飛び出しているのではなく、後ろから垂直に突き刺さっているだけで、その意味では、非常に単純な構造になっているそうです。
舞台に立たれた高本さんは、挨拶代わりに、なんて感じで
「ファンタジア」:ミラン作曲 1536年
「アレクサンドレのパヴァーナ」:ムダラ作曲 1546年
の二曲を、続けて演奏なさいました。
どちらも可愛らしい小品で、会場のほぼ誰もが始めて目にしたであろう「ヴィウエラ」の、懐かしく素朴な響きに引き込まれました。
「この子はこういう音なんですよ~」
と、ヴィウエラちゃん(←勝手にもう『ちゃん』づけです(*´Д`*))をお披露目したような、耳に空気に心地のいい曲でした。
さて、この第一部「ヴィウエラ」ちゃんは、「情熱と哀愁-スペイン」というコンセプトで構成されていたのですが・・・
ここで、高本さんのトーク。
「いつも曲よりしゃべりの方が長いと言われるんです」
と、頭を掻きつつおっしゃっていましたが、淡々とした口調の中にも、しっかりと笑いのツボは抑えてらっしゃる。
「確信犯ですな?」
と心の中で、一人突っ込みを入れつつ笑ってたのは、私です。
高本さんのお話は、曲の紹介の他、楽器そのものの歴史や、この曲が演奏されていた頃、日本は何時代だった、なんてことまで教えてくださるので、とても楽しめます。
以下、私の感想以外の部分については、すべて高本さんが今日お話下さった内容に基づいています。
(まぁ、こんなことわざわざ書かなくても、「ちいすけ(管理人)が知っているはずないじゃん」ということはお分かりでしょうが・・・)
次の曲目は
「ムーア人のロマンセ」:フェンリャーナ作曲 1554年
「小麦色の肌の娘よ、キスしておくれ!」:フェンリャーナ作曲
「ムーア人・・・」のほうは、男性が腕を広げて、「さあこの胸に飛び込んでおいで」といっているような、ゆったりした包容力を感じさせる曲。
それに対して二曲目は、原題に「Morenica」という語があったので、こちらはムーア人の娘(シェイクスピアのオセロも確かムーア人、ってことは肌の色が黒い=小麦色ってことですよね?)に、「キスしておくれ!」と言っているのだろうと解釈して、聴いてました。
高本さんは「女性にチュ・・・いやキスしている気持ちで演奏しました」とおっしゃっていましたが(笑)、私は勝手に、先の曲とセットにして、軽やかにクルクル回って、笑いながら男の腕から逃げる、ちょっと奔放な女の子の姿を想像してしまいました。
ちなみに、私が今日一番印象に残ったのはこの曲です~。
次の五曲目、
「フォリア」:ヴァルデラバーノ作曲
という、「ハリー・ポッターのヴォルデモード卿か!?」と突っ込んでしまったこの曲は、今日が恐らく日本初演だったのでは??ということです!!初演って初めてだ~ッ!!
このタイトル、日本語訳すると「スペインの馬鹿娘」だそうで・・・。
踊るための曲で、コレにあわせて踊っている女の子が、頭の中が飛んじゃってるように見えたことから、こういう身もフタもない(・・・スミマセン)タイトルが付いたそうです。
とはいうものの、出だしは非常に大人しく、どっちかと言えば繊細で可憐な感じ。
ですが、曲の中盤になると輪唱のようにメロディーが追いかけっこをし、最後は「カスタネットがあればフラメンコ踊れるんじゃ!?」と思えるような盛り上がり。
おぉ、これぞスペインってな感じでした。
第一部最後の二曲は
「牝牛を見張って」による変奏曲:ナルバエス作曲 1538年
「皇帝の歌」~千々の悲しみ:ナルバエス作曲
このナルバエスという作曲家は、音楽史上初めて「変奏曲」の手法によって、作曲を行った人物だそうです。これが、バッハ・モーツァルト・ベートベンへと受け継がれ、洗練されていったんですねぇ・・・・
ちなみに「変奏曲」とは、一つの短いメロディーをもとに、それを色々変形させていく曲の事です。(あ・・・適当な説明でした?でも、間違ってはいないと思いマス)
「牝牛・・・」は当時の大ヒット曲だそうですが、変奏曲だけあって、都度聴きなれたメロディーが戻ってきて、そのたびに何だか落ち着くので、お茶を飲むのにいいBGMになるような気がします。
「皇帝・・・」は、カルロス1世に捧げられた曲(いや、カルロス1世を謳った曲??)だそうですが、伊東マンショ・千々石(ちぢわ)ミゲルなどで有名な、天正遣欧使節一行が、渡欧の際に現地で聴き非常に感動したというエピソードが残っているとのことです。
また、70%の確証との断りつきでしたが(笑)、豊臣秀吉もこの曲を聴いた可能性があるそうです!!!
太閤様もきいてなさったとね~ッ!!!
高本さん、次はこの曲を「太閤園」で演奏してみるっていう企画はいかがでしょうか・・・?(*'-')
私個人としても、なぜか時代劇に合いそうなイメージで聴いてしまったので(⊃д⊂)、なかなかイケルと思いますッ!!
→part2に続きます
高本一郎コンサート・シリーズ
「リュートの楽園」 第一夜
於:ホテルニューオータニ大阪 チャペル「エンジェルズ・アイ」
年に二回ずつの開催を予定されていると言う事で、第二夜は九月、ゲストをお迎えしてコラボレーションでお送りします、とのことでした♪
私は開場が七時、開演が七時半からということで、七時過ぎに会場に到着したのですが、すでに結構な人が集まっていました。
スパニョラのマスターと、先代のマスターご夫妻(マスターのご両親です)が座っておられる席の、丁度後ろが空いていたので、運良く着席。ほぼ真ん中です。
開演20分前くらいには、もう満席で席のないお客さんが見かけられるほどの大盛況でした!!
(もちろん、後できちんとイスは用意されていました)
白壁のモダンな感じのチャペルが会場です。
版画家の山本容子さんプロデュースとのこと。
バージンロードにも可愛らしいタイルがあしらわれていて、可憐なリュートにぴったりです。
今回のプログラムは二部構成になっていて、前半と後半とで、ガラッと雰囲気の変わる、一粒で二度美味しい(この言い回し好きなんです・・・これからもブログ内でちょくちょく使うかと思います('∇'))コンサートでした。
ではでは詳細レポートです!!
七時半。高本一郎さんが会場にいらっしゃいました!!
手にされている楽器は「ヴィウエラ」という、もちろん初耳の珍しいもの。
1530年代~1580年代の約50年ほどを中心に、スペイン宮廷でのみ使われていた楽器とのことで、このヴィウエラのための楽曲を作曲したのは、たった7人しかいなかったそうです。残されている楽曲はかなりの数に上るそうですが。
楽器の形状はと言いますと、白木(これは、高本さんの愛器がたまたま白木作りだっただけかもしれません・・・あは)のミニギターって感じです。ただネックはかなり短く、糸巻きも横に飛び出しているのではなく、後ろから垂直に突き刺さっているだけで、その意味では、非常に単純な構造になっているそうです。
舞台に立たれた高本さんは、挨拶代わりに、なんて感じで
「ファンタジア」:ミラン作曲 1536年
「アレクサンドレのパヴァーナ」:ムダラ作曲 1546年
の二曲を、続けて演奏なさいました。
どちらも可愛らしい小品で、会場のほぼ誰もが始めて目にしたであろう「ヴィウエラ」の、懐かしく素朴な響きに引き込まれました。
「この子はこういう音なんですよ~」
と、ヴィウエラちゃん(←勝手にもう『ちゃん』づけです(*´Д`*))をお披露目したような、耳に空気に心地のいい曲でした。
さて、この第一部「ヴィウエラ」ちゃんは、「情熱と哀愁-スペイン」というコンセプトで構成されていたのですが・・・
ここで、高本さんのトーク。
「いつも曲よりしゃべりの方が長いと言われるんです」
と、頭を掻きつつおっしゃっていましたが、淡々とした口調の中にも、しっかりと笑いのツボは抑えてらっしゃる。
「確信犯ですな?」
と心の中で、一人突っ込みを入れつつ笑ってたのは、私です。
高本さんのお話は、曲の紹介の他、楽器そのものの歴史や、この曲が演奏されていた頃、日本は何時代だった、なんてことまで教えてくださるので、とても楽しめます。
以下、私の感想以外の部分については、すべて高本さんが今日お話下さった内容に基づいています。
(まぁ、こんなことわざわざ書かなくても、「ちいすけ(管理人)が知っているはずないじゃん」ということはお分かりでしょうが・・・)
次の曲目は
「ムーア人のロマンセ」:フェンリャーナ作曲 1554年
「小麦色の肌の娘よ、キスしておくれ!」:フェンリャーナ作曲
「ムーア人・・・」のほうは、男性が腕を広げて、「さあこの胸に飛び込んでおいで」といっているような、ゆったりした包容力を感じさせる曲。
それに対して二曲目は、原題に「Morenica」という語があったので、こちらはムーア人の娘(シェイクスピアのオセロも確かムーア人、ってことは肌の色が黒い=小麦色ってことですよね?)に、「キスしておくれ!」と言っているのだろうと解釈して、聴いてました。
高本さんは「女性にチュ・・・いやキスしている気持ちで演奏しました」とおっしゃっていましたが(笑)、私は勝手に、先の曲とセットにして、軽やかにクルクル回って、笑いながら男の腕から逃げる、ちょっと奔放な女の子の姿を想像してしまいました。
ちなみに、私が今日一番印象に残ったのはこの曲です~。
次の五曲目、
「フォリア」:ヴァルデラバーノ作曲
という、「ハリー・ポッターのヴォルデモード卿か!?」と突っ込んでしまったこの曲は、今日が恐らく日本初演だったのでは??ということです!!初演って初めてだ~ッ!!
このタイトル、日本語訳すると「スペインの馬鹿娘」だそうで・・・。
踊るための曲で、コレにあわせて踊っている女の子が、頭の中が飛んじゃってるように見えたことから、こういう身もフタもない(・・・スミマセン)タイトルが付いたそうです。
とはいうものの、出だしは非常に大人しく、どっちかと言えば繊細で可憐な感じ。
ですが、曲の中盤になると輪唱のようにメロディーが追いかけっこをし、最後は「カスタネットがあればフラメンコ踊れるんじゃ!?」と思えるような盛り上がり。
おぉ、これぞスペインってな感じでした。
第一部最後の二曲は
「牝牛を見張って」による変奏曲:ナルバエス作曲 1538年
「皇帝の歌」~千々の悲しみ:ナルバエス作曲
このナルバエスという作曲家は、音楽史上初めて「変奏曲」の手法によって、作曲を行った人物だそうです。これが、バッハ・モーツァルト・ベートベンへと受け継がれ、洗練されていったんですねぇ・・・・
ちなみに「変奏曲」とは、一つの短いメロディーをもとに、それを色々変形させていく曲の事です。(あ・・・適当な説明でした?でも、間違ってはいないと思いマス)
「牝牛・・・」は当時の大ヒット曲だそうですが、変奏曲だけあって、都度聴きなれたメロディーが戻ってきて、そのたびに何だか落ち着くので、お茶を飲むのにいいBGMになるような気がします。
「皇帝・・・」は、カルロス1世に捧げられた曲(いや、カルロス1世を謳った曲??)だそうですが、伊東マンショ・千々石(ちぢわ)ミゲルなどで有名な、天正遣欧使節一行が、渡欧の際に現地で聴き非常に感動したというエピソードが残っているとのことです。
また、70%の確証との断りつきでしたが(笑)、豊臣秀吉もこの曲を聴いた可能性があるそうです!!!
太閤様もきいてなさったとね~ッ!!!
高本さん、次はこの曲を「太閤園」で演奏してみるっていう企画はいかがでしょうか・・・?(*'-')
私個人としても、なぜか時代劇に合いそうなイメージで聴いてしまったので(⊃д⊂)、なかなかイケルと思いますッ!!
→part2に続きます
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