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2024/03/29 02:04 |
一番読んでいるモノ
こちらでも色々と紹介させていただいているように、私は活字と名の付くものなら、結構手当たり次第に読む人間です。
(文庫本と新書にかなり偏向しているとはいえ・・・・)

しかし、私が年数・冊数ともに一番手にとっているのは実は雑誌です。

その雑誌のタイトルは『ナショナルジオグラフィック 日本版』

95年の創刊時以来13年、ずっと定期購読していますΣ(゜д゜|||)

しかし、度重なる引越し(その間現在まで家は6回変わってます・・・・)のせいでしょうか、現時点で157冊(創刊前準備号を含む)あるはずなのですが、恐らく数冊の抜けがあります・・・・_| ̄|〇
フツーのマンション住まいの身には、コレだけの雑誌を保管できる本棚を置く余裕もなく(というか、雑誌以外の本の数も結構なものになっているんですよね・・・)、今回の家ではとうとう段ボールから出すことすら断念してしまいましたので、正確には何冊欠けているのか分からないのですが。

(でも、創刊第一号のコアラの表紙の分が、貸してくれとせがまれて貸したまま、イキナリ戻ってこなかったということだけはキチンと覚えています(笑))

さて、この『ナショナルジオグラフィック 日本版』ですが、「日本版」という名が冠されているように、もともとはアメリカの雑誌です。
「ジオグラフィック」という語からもお分かりのように、電話の生みの親としても有名なグラハム・ベルらが中心となって、地理学の普及とその調査費の調達の為に設立された非営利団体「ナショナルジオグラフィック協会」が発行母体であり、現在でも黄色い枠囲みの表紙と、優れた写真・イラストの掲載される全編オールカラーの雑誌としてよく知られています。

雑誌『ナショナルジオグラフィック』がカバーする内容は非常に幅広く、地理学(風土・自然・動植物)はもちろん、歴史学・人類学・自然科学から文化・スポーツに至るまで、ありとあらゆる事象を教えてくれる雑誌です。

また、写真にも定評があり、数々の写真集なども出版されていまして、芸術的なものから報道写真まで、扱う記事と同じく、そのジャンルは多岐にわたっています。
日本では、動物写真の第一人者として知られている岩合光昭氏の写真が、数多く掲載されています。


最近の記事で一番印象に残ったのは、最新の三月号の特集記事なのですが、「動物の知力」

昨年9月に死んでしまったヨウム(オウムの一種)のアレックスも取り上げられています。
アレックスは人語を解する鳥として有名で、朝ご飯に「ブドウ、ホシイ」と催促したり、緑の鍵と小さなカップとを並べ、「何が同じ?」と質問すると「イロ」、「何が違う?」という質問には「カタチ」と答えたそうですΣ(゜д゜|||)

もともとは研究者のペパーバーグ女史が、「意思疎通できれば、鳥が世界をどのように見ているかが分かると考えたから」というアイディアのもと、ペットショップで買われてきたというアレックス。
(しかも、『わざわざ賢い鳥を選んだのだろう』と邪推されないように、どの鳥を買うかは店員に任せたそうです)。

アレックスは、数の概念も理解しており、「シックス」までは発音も出来たとのこと。
しかし「セブン」は、彼には発音が難しかったそうです。
ところがご褒美がもらえるわけでも何でもないのに、「ス・・・スゥエブン」と何度も「セブン」の発音を練習し、習得してから死んだそうです(´д`)

それにしても自発的に練習をしていたということに驚きます

他にも道具を自分で作るカラスや、340もの単語を理解している犬、絵文字を使って話をするボノボ(類人猿)らが紹介されています。

で、これら紹介されている動物の写真が、当然のことながら全て掲載されているわけですが、どの顔も知的で可愛らしく、カラスに至ってはそれはもう見事な毛並み(笑)
(ちなみに今号の表紙は、このカラスちゃんです)

気になる方は、この記事がウェブ上で途中までですが読めますので、どうぞ。
「動物の知力」の記事へ直リンクしてます。↓↓↓
http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/0803/feature01/index.shtml

アドレス中に「nikkei」の字が見えるのは、日本版の出版元が「日経BP社」であるためです。


私がこの雑誌を13年も読み続けているのは、ひとえに「定期購読」の成せる業なのですが、そもそもなぜ定期購読をしたかといいますと、当時の新聞広告に
「書店ではお求めになれません」
と大々的に喧伝されていたからなんですよね。

しかし、私の記憶では、一年も経たないうちにフツーに本屋の棚に「Newton」なんかと並んで置かれるようになっていたように思います・・・・_| ̄|〇

あ、でも今思えば、一般販売に路線を切り替えたから、定期購読者には毎年非売品の写真集をつけてくれてたのかも(笑)
(初めて非売品写真集が届いた年は、『こんなもの頼んでないッ!!Σ(゜д゜|||)』と一瞬驚きました。だってイキナリきたんだもん・・・)


ちなみにバックナンバーはある程度購入できるようですので、気になる方は面白そうな号だけでも読んでみては如何でしょう??

そして今調べてみたところ、私の手元にない第一号は、幸運にも在庫があるようです・・・・・Σ(゜д゜|||)
その前後の号は売り切れているのにッ!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・買おうかなぁ
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2008/03/03 03:24 | Comments(0) | TrackBack() |
思い込みを訂正します
久々に本の感想など。

今回読んだ本は、例によって文庫本なのですが、今まで「どうせまたくだらないやろ・・・」と勝手な思い込みを抱いていたため、あまり手に取らなかった宝島社文庫です。

すみません、失礼なこと書いて(゜▽゜;)
でも、今まで数冊読んでるんですけど、「もういいわ・・・」とどうしても思ってしまうようなものばかりだったので。

しかし今回はその思い込みを修正したいと思います。

読んだのは、今話題となっている

『チーム・バチスタの栄光(上・下)』 海堂尊著 (宝島社文庫)

です。

毎度のことですが、「このミステリがすごい」で第一位獲得、という話題性に惹かれ(笑)出版社にためらいつつも、購入してみました。
が、一月くらいほったらかし・・・・(゜▽゜)

しかし、今週の木曜日の「ビーバップ・ハイヒール」のゲストに、著者の海堂氏が出演されていたのを見て、「やっぱすぐに読んでみよう!」と読書開始。
(ハイ、相変わらず影響受けやすいです(笑))

ちなみに「ビーバップ・ハイヒール」は、ハイヒールの二人が司会を務める関西のローカル番組です。
レギュラーには作家の筒井康隆氏Σ(゜д゜|||)、漫画家の江川達也氏、チュートリアルやブラマヨ、たむけんなんかが出演しておりまして、毎回テーマを設定して、その道のプロにレクチャーしてもらうという番組で、結構面白いです。

海堂氏は、現在の医療崩壊、それに伴い死因不明社会となっている日本に警鐘を鳴らすために出演された模様。

ご存知の方も多いかと思いますが、海堂氏は現役の医師でいらっしゃいます。
文庫本の解説にもありましたが、現代日本の医療危機を憂いて、この『チーム・バチスタの栄光』を書かれたのでは、と思われます。


では、感想など。

冒頭部辺りでは、結構肩肘張っているような感じで、描写なんかも「ちょっと格好つけすぎ・・・?!」と思わなくもなかったのですが、気付けばそんなこと気にならなくなっていました。

現役の医師だけあって、病院内部の人間関係やシステム、手術の描写などリアリティーに溢れていますし、その一方で、医療用語など分からなくても、まったく退屈することなく引き込まれてしまう筆力も持ち合わせている方です。

しかし、中でも面白かったのは、後半から登場する本作のホームズ役・白鳥

強烈な個性というのはこういうキャラクターを言うのだと思います。
どこまでも論理を重視する、正直ウザクて胡散臭い人物です。
しかし、憎めないのもまた事実。

本人曰く、例えば殴られてみたりすることもすべて計算の上での言動らしいのですが、それがどこまで本当なのか、単なる辻褄合わせじゃないの??と勘繰りたくなるような胡散臭さ。
決して人間味溢れるキャラクターではないのですが、ところどころに可愛らしさも見え隠れして、嫌われそうなのに嫌われない、そのさじ加減が絶妙です

で、最後には作者の思惑通り、白鳥の魅力にはまっているわけですが・・・(笑)

白鳥のキャラは、京極夏彦氏の著作に登場する榎木津礼次郎に通じるところがあります
榎木津ほど「オレ様」って感じでも非常識でもないですが、傍若無人さはいい勝負です。
榎木津がすきと言う方は、白鳥も好きだと思います。
(でも、白鳥は小太りらしいので、ルックスではまったく勝負にならないようですが。)

・・・・で、今気になってネットで情報調べてみたんですが。
映画の白鳥役って、阿部寛さんなんですね。
榎木津役も阿部寛さんだったじゃないですか・・・・(笑)
まあ、みんな受ける印象は同じだったということなのでしょうか(´Д`;)ヾ

しかし、主人公の「田口公平」が女性になっているとは許せん・・・・・・!!
竹内結子さんが主演っていうのをみて、「一体何の役!?」と思ったのですが、よくある話とはいえ、何と主人公の性別を変更しているとは・・・(笑)

まあ、主演が二人とも男性だと地味になるという演出上の都合もあったのでしょうが、あの人生を諦めちゃってますというような哀愁からかもし出される落ち着きぶりは、やはり中年男性ならではのものだと思うのですが。
(実際は決して人生諦めて投げやりって人物ではないんですが。作中にもあるように「仙人」然としたところのある人物です。)
そういうちょっとくたびれたトコロ、竹内結子さんからはまったく感じられないんですけど・・・・。

と、映画の方に話が逸れましたが。

映画は見ていないのでこれ以上は何も申しませんが、原作は私の「宝島社文庫は・・・」という思い込みを、見事に打ち砕いてくれました。

謎としてはそれほど凝ってはいませんし、完全な正解に自力で辿り着くためには医学的な知識も必要という点で、「犯人は誰だ?」と煽っている割に、純粋な推理モノではありません
(知識がなくても、「犯人はコイツだろうな、状況を考えると・・・」くらいの予想は可能です。)
動機はそれなりに考えさせられるとはいえ、犯人像もまあ、ありきたりといえばありきたりですし・・・・・(ややネタばれ気味!?スミマセン)

しかし、人を煙に巻くような白鳥流の聞き込みセオリーには海堂氏のセンスが光りますし、緊張感に満ちた手術の描写、脇役まで個性だっている点、そして読後感の清々しさなどこれが小説デビュー作とは思えない完成度の高さだと思います。

また、いやらしくない程度に現代日本の医療についての問題提起がなされていたりして、社会派的な面も伺えます。

この問題について、海堂氏は先日のテレビで語られていたわけですね。
今の日本では、死因が不明の遺体のうち、解剖されている遺体は、全体の2~5%に過ぎず、そのほとんどは警察の「事件性なし」という判断の元、ほぼすべて「心不全」として処理されているそうですΣ(゜д゜|||)

目立った外傷や毒殺時のような身体反応さえなければ、仮に殺された遺体だとしても「心不全」で片付けられてしまうのです。
実際に、完全犯罪が成立しているパターンも、結構存在するのではないかと思われますね・・・・。

本作は、このあたりのことを声高に主張したかったのだと思われ、きっちりクライマックスで織り込まれていてウマイです。
小説の演出上も劇的な効果を生んでいると思います。

未読の方は、お勧めです、読んでみてください。

でも、この小説、わざわざ上下巻に分ける必要なかったと思うんですが・・・・。
その点でかなりの割高感は否めません。
分冊されてなかったら、もっと満足感が得られたと思うんですけどね(゜▽゜;)

2008/02/24 00:56 | Comments(0) | TrackBack() |
うちのカミさんがね・・・
ココ何ヶ月かはまっているモノ。
そう、タイトルを見てお分かりの通り、「刑事コロンボ」シリーズです(笑)

昨年10月から発売が開始された、週刊百科シリーズでおなじみのディアゴスティーニ社による、DVDと薄っぺらい(笑)マガジンのセットを、毎回せっせと購入しています。

隔週の火曜に発売なのですが、この日は予定があろうとも絶対に
「先に本屋に行かせてヽ(;´Д`)ノ」
と押し通してます(笑)

一部1490円也。

全45巻揃える気満々で、安い記念価格になっているうちにと、専用バインダーも三冊購入済み(゜▽゜)
(バインダー一冊に付き、マガジンが15冊綴じられます。)
今日はめでたく第10巻の発売日でした。

さて、このコロンボシリーズ、最初の頃は発売日以降も本屋で見かけることができたのですが、最近は仕事帰りの時間に行くと、発売当日でも小~中規模の本屋では売切れていることが多くなってきました・・・(涙)

前回も予定があって急いでいたため、目的地近所の本屋で入手しようと思ったところ、中規模程度の本屋さんしかなく、三軒回ったのですがどこも売り切れ・・・・・_| ̄|〇
仕方なく帰りに、ありがたくも10時まで開いているブックファーストで何とかゲット。

今日も、最初に寄ったところは見事売り切れでして(念のため店員さんに聞きました(゜▽゜;))、旭屋本店でゲット。
その際、私と同年代くらいの女性が購入しているのを見かけまして、
「やっぱ、最近売れてるっぽいよな~」
と実感。

コロンボの魅力は、何と言ってもまずはピーター・フォークのあのやる気なさげなルックス
よれよれのコートに、ポンコツとしかいいようのない愛車プジョー、勇ましさの全く感じられない脱力系の顔、とおよそ敏腕刑事とは思えないところがステキです♪
この外見に、錚々たる知能犯たちも騙されてしまうんですね~

次の魅力は、吹き替えの故・小池朝雄氏の印象的な演技。
実際のピーター・フォークの声とはまったく違うのですが、逆に小池氏の吹き替えじゃないと「こんなのコロンボじゃないッ!!」と思ってしまうくらい、キャラクター造形には欠かせないはまり役です。

そしてもちろん、視聴者に予め犯人が知らされているという、いわゆる倒叙式による展開は、「今回はどうやって犯人を追い詰めるんだろう・・・」といつもワクワクさせられます。

「古畑任三郎とおんなじなんだ~!!」
と言われたときには思わず膝カックンを食らわされたような気持ちになりましたが・・・・・_| ̄|〇
本家はコロンボだって言うのッヽ(`Д´)ノ

コロンボのセリフでは「うちのカミさんがね・・・」というのがお馴染みですが、実は一度もカミさんが出てこないところもまた面白いですよね。

でも私の密かなお気に入りは、コレもまた有名ですが、犯人に向かって
「あ、そうそう」
と、必ず帰り際に帰ると見せかけて質問をして帰るところ。

やっと刑事が帰ったと安心したところに、不意のパンチを食らわせるという一種の作戦なわけですね。

しかしコレにちなんで思い出してしまうことがあります。

昔職場に、取引先の人との電話で、明らかに話が終わって先方が切ろうとしているタイミングで、必ず
「あ、それでな」
と引き止めていたオバサン(というか、むしろオバアサンだった)がいたんですねぇ・・・・。

ちなみにそのオバサン、そんなタイミングで引き止めるものだから、よく電話を切られてました・・・・Σ(゜д゜|||)
・・・そして「なんやの!?切られたわ。失礼やわ~ヽ(`Д´)ノ」と電話に切れてました。

先方は全く悪くないと思いますが・・・・。

引きとめた後に話す内容も、
「じゃあこれからもお願いしますねぇ」
くらいのもので、それが聞こえてくるたび、毎度のことにも拘らず「えッΣ(゜д゜|||)」と唖然

コロンボのように意図があってやっているとも思われず、何のために引き止めていたのかサッパリ分かりませんでした(´Д`;)ヾ

とまあ、いつものように話が脱線してますが、随分昔のドラマとはいえ、全く問題なく楽しめるお勧めの作品です。
今のところのお勧めは、どれも面白いのですが、第三作目の「構想の死角」
若き日のスピルバーグが『激突!』を撮る直前に監督した作品である点も見逃せません。

あ、どうでもいことですが、私は海外ドラマは「日本語吹き替え・字幕なし」バージョンで見るタイプです。
映画ではなぜかそこまでのこだわりは持っていないのですが、ドラマは必ず吹き替えです。

ホント、どうでもいいことですけど・・・・(゜▽゜;)



おまけ。
今日は、このブログを始めてちょうど一周年です~ヽ(´ー`)ノ

まったく文字通りの細々とした更新ですが、皆様が訪問してくださることが本当に嬉しくて、何事においても三日坊主のこの私が、何と一年も続けられております。
本当にありがとうございます。

これからも相変わらずの気まま更新ですが、楽しんでいただける記事をアップしたいと思いますので、思い出された時にでも覗きに来て下さいませ\(^-^)/


2008/02/20 01:56 | Comments(0) | TrackBack() |
あなたはどっち?
あけましておめでとうゴザイマス。
七日(いや既に八日ですが)にして、本年初のアップでございます。

皆さんは初詣には行かれましたか?

我が家は、例年あまり初詣には行かないのですが、昨年は広田神社が、そして今年も結構大きな神社が近所にありましたので、せっかくだし・・・と二年連続で元日にお参りに行ってきました。

初詣といえば欠かせないのが、今年一年を占う「おみくじ」ですね。

昨年は確か、ビミョーな小吉、そしてGWに訪れた「モクモクファーム」内のトントン(豚々)神社では何と「凶」を引き当ててしまったという、まったくいいところなしの結果だったのですが。

今年はオハコならぬ「十八番」をひき、見事「大吉」をゲット!!!
「小吉」というネタにもしずらいビミョーな結果のダンナを尻目に
、思わず「おしッ!!」とガッツポーズをかましてしまいました。

が。

どうして私はこう、素直にステキな結末に恵まれないのでしょうか・・・・(涙)

おみくじの中身をよくよく読んでみますと・・・。

旅行・・・ 慎むべし。

病気・・・思いの外難し。

待ち人・・・さわりあり。来たらず。

・・・・・・・・・・・・・・・・・オイッヽ(`Д´)ノ!!!!

これが大吉ですってぇぇぇぇぇ!?

そりゃ、11月にグアムに行きましたから、今年は旅行に行く予定は今のところありませんし、既婚者ですから今更「待ち人」もなにもありませんけどね?

でも、万が一病気になったらどうしてくれんのよッ!?
去年受診した人間ドックによれば、私は「平成31年」まで健康らしいですけどねΣ(゜д゜|||)
(人間ドッグネタにアップしてます。随分前のものですが)

それにしたって、・・・・・・ひどすぎる_| ̄|○


あまりにあまりなので、ちゃんと境内の枝に結んできました。
いい内容だったら持って帰るつもりでしたけど(涙)


さて、新年一発目は、やはり本の話題です。

年末年始、あまり読書に割ける時間はなかったのですが、実家に帰ったついでに以前から再読しようと思っていた本を持ってきました。

SFの傑作のひとつに数えられる作品なので、ご存知の方も多いかと思います。
『夏への扉』 ロバート・A・ハインライン著 (ハヤカワ文庫)

年がばれるので(゜ー゜;)いつ読んだかは伏せさせていただきますが、15~6年前に読んだきり、例のごとく「面白かった」という、これ以上無いというくらい抽象的な感想のみを残し、内容はきれいサッパリ忘れ去っていた本です。

技術者である「ぼく」(=ダニイ・デイヴィス)は、その飼い猫の「ピート」と睦まじく暮らしていたのですが、「ぼく」はある日突然、婚約者にも自ら創業した会社にも裏切られ、絶望の淵に立たされてしまいます

そんな「ぼく」は、茫然自失状態のなせる業か、最近流行している「冷凍睡眠保険」に惹きつけられ契約してしまいます。
いわゆる「コールドスリープ」、一種のタイムマシンですね
この世界では、冷凍睡眠中の契約者の財産を、保険会社が運用するというビジネスが行われているのです。

しかし、事前検診の際に打たれた注射によって(本当に冷凍睡眠する気があるのか、冷凍睡眠に耐えられる体か、ということを調べ、契約者に冷静に考えさせるために、鎮静剤のような注射を施すのです)「ぼく」は冷凍睡眠をやめることにします。

そして、自分を裏切った婚約者と昔馴染みの友人(この友人は、会社だけではなく、婚約者を奪った人物でもあります)に一矢報いてやろう、と決意も新たに乗り込むのですが・・・・。

この作品の魅力は幾つもありますが、まず一つは愛猫の「ピート」
「ナーオウ」とか「モーア」とか、彼の鳴き声がいちいちカッコで括ってあることや、大好物がジンジャーエールだということも微笑ましいのですが、一番の魅力は、「ぼく」の家にある12の扉の中のどれか一つが、必ず心地のよい「夏」へと繋がっていると信じて、「ぼく」に一つずつ開けさせるというエピソード。
(ちなみにこの物語は真冬の12月に幕を上げます。)

これは、物語冒頭にある挿話で、タイトルももちろんココから来ているわけですが、この挿話によって、「ピート」が聡明でわがままで、いかにも猫らしい猫である反面、人間臭さも持ち合わせている猫であるという、彼の魅力が印象付けられています。

二つ目は、単なるタイムスリップモノでは終わっていないという、展開の巧みさ。
謎解きとしても読むことができますし、後半に進むにつれ、「おぉ、あれはそういうことだったのか!」と納得の連続。
また、畳み掛けるようにスピーディーな後半の展開は、途中で放り出すことも難しく、思わずのめりこんでしまいます

三つ目は、小道具の面白さ。
「ぼく」が技術者であることから、さまざまな発明品が登場するのですが、そのどれもが想像力に溢れていて、細かな設定などでは思わず「クスッ」と笑ってしまうことも。
中には、「お、あの市販されてる商品、この小説が元ネタでは?」と思わされるアイテムもあったりします

読んだのが15~6年前とはいえ、やはり読み始めると「ラストは確かこうだったなぁ・・・」と思い出してしまったのですが、それでも文句なしに楽しめました。
読後感も爽快です
またピートがとにかく愛らしいので、猫好きの方にも是非お勧めしたい作品です。


もう一冊。
『山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー』 山口雅也編 (角川文庫)

山口雅也氏は、死者が生き返るという特異な設定による『生ける屍の死』などのように、個性的でありながら純粋に論理的な世界を構築し、その特異なルールに沿って論理的に謎を解決するという作品を多く書かれている作家さんです。

ミステリ(に限りませんが)は、知的ゲームという側面もありますから、現実世界を写し取っていなくても、作品世界の中に敷かれたルールに則って論理的推理が行われていれば問題ありません。

例えば、私が好きな山口氏の著作に『日本殺人事件』というものがあります。
ここで舞台になっている日本は、現代でありながら人々は髷を結い、花魁も現役、まさに「ゲイシャ・フジヤマ・スシ」という、オリエンタリズムに憧れた西洋人が勝手に想像した「ニッポン」なのです。

この、現実には存在しない「ニッポン」のルール・しきたり・思想に基づいて、主人公の探偵である「トーキョー・サム」は推理を展開していきます。

・・・・こんな一風変わった推理小説をお書きになる山口氏が(いわゆる現実的な設定のものも書かれていますが)、満を持して発表されたのが、このアンソロジーだということです。

非常に博識な方で、取り上げられている作品も古今東西、またジャンルも多岐に渡っているのですが、今日はその中でも、非常に有名な話が収載されていましたので、それをご紹介したいと思います。

その話のタイトルは「女か虎か」
コレを見ただけで「ピン」と来た方もいらっしゃるかと思います。
それくらい有名な話ですので、粗筋というか、ネタばれしてしまいますがご勘弁を_(._.)_

作者は、私も初めて知ったのですが、フランク・R・ストックトンという方で、1884年に発表された小説だということです。

以下粗筋です。

*************************
昔、半未開人の一人の王様がいました。
彼は罪人を裁くのに、非常にユニークな審判を行っていました。
罪人は審判場に引き出され、そこで二つの扉のうちのどちらかを必ず選ばなくてはなりません
扉の向こう側には、罪人に最も相応しいと思われる素晴しい女性が待っているのですが、もう一方の扉の向こう側には、腹を空かせた獰猛な虎が待ち構えています。
女を選べば、罪人は無罪、しかし妻子や恋人がいようと、問答無用でその女性と即座に結婚しなければなりません。
虎を選べば当然有罪、どうなるかはご想像の通りです。
もちろん罪人には、どちらにどちらがいるのかは知らされません。
罪人は、自らの手で有罪・無罪を決められるという、ある意味まったくもって公正な審判なのです。

さて、そんな王様の美しく情熱家でわがままな一人娘である王女様と恋に落ちた若者がいました。
彼は美しく、勇敢で素晴しい若者でした。
王女様もこの恋人に満足していました。
しかし、王女様とは明らかに身分違い。
二人の仲を知った王様は激怒し、一国の王女に手を出すなんて何という重罪だ、ということで若者を裁くことに決めてしまいました。

若者が審判場に引き出された時、王様の隣には王女様が座っていました。
若者は、王女様が、どちらの扉が女で、どちらの扉が虎であるのかを知っていることを確信しました。
しかし実は王女様は、用意された「女」がこの上なく可愛らしく、さらには若者の妻になれるかもしれないという喜びでいっぱいである事も知っていたのです。
さて、若者は王女様に目で問いかけました、「どちらの扉か」と。
王女様は即座に、しかし誰にも分からないように右側を指差しました。

若者はもちろん、右側の扉のかんぬきを外しました。

王女様が指し示したのは、「女」の扉だったのでしょうか
その場合は、愛しい若者に生きて欲しいという思い故のことでしょう。
いやそれとも、自分は一生添い遂げることができないというのに、あんな女のものになるくらいなら殺してしまえという思いから「虎」の扉を指し示したのでしょうか

***************************

答えを期待した方がいらっしゃいましたら申し訳ありません。
この話、もともと議論のネタにと考えられたアイディアが下地になっているということで、当然のことながら解答は存在しません。

「謎」だけが残される、こんな形態の物語を「リドルストーリー」といいます

このアンソロジーには、他にもいくつかのリドルストーリーが収められています。
(もちろん、本格推理も、果てはマンガまで入っています!)

あなたはどっちだと思いますか???

2008/01/08 02:04 | Comments(0) | TrackBack() |
クリスマスイブ、だったようです。
巷は本日、クリスマスイブだったようですね~・・・(遠い目

私は祝日だということもすっかり忘れ、キチンと普段どおり仕事を入れてしまいました。
教室にいた生徒には、「先生この後予定あるの?」と聞かれましたが、仏教徒(但し葬式のみ)の私にはクリスマスなんて関係ないのさ。
「家に帰るだけ~」
と、なんとも寂しい返事をしてまいりました・・・_| ̄|○

まあ長年連れ添っているダンナと、今更クリスマスなんて柄でもありませんので、一応世間並みにケーキを食べて終わりました(笑)
しかも今年のケーキは、通販でのお取寄せ・・・(゜ー゜;)
どこを切ってもパンダの顔という、「一体何がクリスマス!?」という意味不明のケーキでした。
でも美味しかったから許す(笑)

さて、今日は久しぶりに本の話題でもしようかと。
最近は記事の更新がイマイチなペースですが、本はそれなりに読んでます。
というか、活字中毒なので、始終何か読んでます。
電車に乗っているとき、本を開く気になれない場合は、車内釣り広告を舐めるように((((゜Д゜;))))読んでいますので、車両中が同じ広告で埋め尽くされていると、とても損した気持ちになります(笑)

今日の話題は、読んでから少し間が空いてしまいましたが、横溝先生のネタ。

以前、幼少時のトラウマを乗り越えて、大ファンになった経緯(というほど大げさなものではありませんが・・・)を書きましたが、横溝先生は、どうも「先生」という敬称をつけずにはいられない位、お慕いしております。

といって、それほど横溝先生のことに詳しいわけでもないというのが、決まりきらないところなのですが・・・・。

最近読んだのは、短編集『首』と、長編の『三つ首塔』、そして再読したのが『犬神家の一族』
いずれも角川ホラー文庫です。

『首』は、いかにも怖いですよ~という身も蓋も無いタイトルなわけですが、中身もそれに恥じることの無い快作ぞろいです。
気持ち悪い、怖い、怪しいという三拍子揃った作品が四篇収められています。

中でも横溝先生の猟奇趣味が顕著に現われているのは「蝋美人」でしょうか。
タイトルからして、イヤ~な感じですね(笑)

横溝先生の作品は、絶世の美女が必ず登場し、しかもその女性が犯人である事が多いとされていますが(笑)、その傾向は長編よりも短編に当てはまります。
(中には美人が犯人の長編もありますが。)
しかも短編に出て来る女性は、本当に人間離れしているというか、まさに悪魔的で、いっそ小気味よいほどに悪事を働いてくれるので、私は大好きです(笑)

『殺人鬼』にも、確かそんな魅惑的な美女が登場しますので、お好きな方は是非。


二冊目の『三つ首塔』は、横溝先生の作品の中では、ありそうでなかった異色作です。
読んだ時、正直驚きました。
一言で言うと、「ロマンス横溝風」

横溝先生が恋愛小説を書いたらこうなる、という数少ないロマンステイストの織り込まれた作品でした。
何と言うか、「横溝先生、ハーレクインお好きだったんですか!?」と質問したくなってしまうようなストーリー(笑)
でも背景に流れるおどろおどろしさは、例のごとく横溝テイストたっぷりですし、大小様々な謎も随所に散りばめられていて、かなり楽しめます。
地味ながら金田一耕介探偵も登場しますし、横溝入門には実はうってつけの一冊かもしれません


三冊目はいわずと知れた代表作『犬神家の一族』。
何度も映画化・ドラマ化され、日本国民ならタイトルくらいは皆知っているという横溝先生の代名詞ともいえる作品です。

芸人のにしおかすみこさんが、逆立ちで発見されるという佐清の死体の様子をネタにしてましたが、再読するまで、実は私はその状況をすっかりきれいに忘れておりまして、「何で逆さまだったっけかな・・・?」と首をひねっていたという体たらく・・・・_| ̄|○
本当に読んだのかよッ!!と思わず自分に突っ込んでしまいました。

終戦直後という混乱期を上手く利用した作品でして、この時代を扱った作品には、坂口安吾のその名もズバリ『復員殺人事件』という大作もあったりするのですが、安吾の死により未完・・・・。
他の作家が後を引き受けて、一応完結されているのですが、筆致が変わった辺りから気が入らなくなり、最後まで読んだのですが、内容は例のごとく全く覚えていません・・・(゜ー゜;)

『犬神家・・・』は、「斧(よき)・琴・菊」といういかにも意味ありげな犬神家に伝わる家宝であるとか、戦争で潰れた顔を覆うための白い仮面であるとか、一族の者ではないのに莫大な遺産の相続人に指名された美女とか、ワクワクするような道具立てが盛りだくさん。

そして、真犯人に振り回される金田一探偵というお約束(笑)
(金田一探偵は、犯人を突き止めてどれだけ早く事件を解決し、被害者を増やさないかという「防御率」が、有名探偵の中ではほぼ最下位らしいです(笑) そういう数字を調べているマニアの方がいらっしゃるんですねぇ・・・)

再読だけあって、さすがに中ほどで犯人を思い出したのですが(って、遅いですが(汗))、犯人を思い出してもやはり最後まできっちり読み通せます。
おどろおどろしいだけではなく、目次の最後に「大団円」という見出しも付けられている通り、スッキリした読後感なのも、この作品の魅力の一つではないでしょうか。

そうそう、私が横溝作品で一番気持ち悪かったのは、今のところ『夜歩く』です
これも角川ホラー文庫に入ってます。
それほど長い作品ではありませんので、「怖いの好き♪」という方は是非どうぞ(笑)

2007/12/25 02:07 | Comments(0) | TrackBack() |

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