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2025/04/30 16:37 |
ちょっと不満
今日は本屋に行きました。まあ、週に二回は行ってるんですが・・・
今日の目的は、先日の話題でも取り上げた、新解さん関連の本でした。

『新解さんリターンズ』 夏石鈴子著 (角川文庫)

同じ著者による『新解さんの読み方』の続編です。
昨年出版されているのですが、毎月新刊チェックをしているにも拘らず、なぜか見過ごしていたようで・・・

でも、こんな私の好きそうな本、見過ごしたとも思えないんだけどなぁ・・・とも思いつつページを開きます。

(ん!?)←イヤな予感
まず15ページのオジサンの写真にデ・ジャヴを感じ
(知ってる人に似てるんかなぁ・・・)←最悪の事態を避けるための逃避!?
そして38ページの楳図かずお氏の『赤ん坊少女』からの引用を見た瞬間に、デ・ジャヴは確信へと変わりました

・・・・・・・・・・・私、この本買ってるし_| ̄|○

『新解さんリターンズ』、めでたく2回目のお買い上げです。

本日購入した他の本はといいますと・・・
『カラヤンとフルトヴェングラー』 中川右介著 (幻冬社新書)

『~カンニング竹山と考える~大阪人はなぜ振り込め詐欺に引っかからないのか』 竹山隆範著 (扶桑社新書)

『だめんず症候群』 倉田真由美著 (扶桑社新書)

『「世界の古代文明」がよくわかる本』 島崎晋著 (PHP文庫)

『危ないお仕事!』 北尾トロ著 (新潮文庫)

『怪しいお仕事!』 北尾トロ (新潮文庫)

ということで計7冊購入しました。

珍しく、一冊も小説がありません。しかも、扶桑社とかPHPとか、普段ならほとんど買わない出版社の本が約半分を占めています(笑)

まずは『カラヤン~』。これは私の趣味がクラシックなので、「新刊である以上買わねば!」という、よく分からない使命感に突き動かされて購入していました・・・。

別にカラヤン、嫌いじゃないけど好きでもないんですよね(笑)フルトヴェングラーに至っては、ベートーベンの交響曲(3と9)の二枚しか、CD持ってないし・・・。
ただ、すごくこの二人の関係がドロドロしてたらしいので、ゴシップ好き(ゴシップの分野に偏りはありますが・・・。芸能界とかあんまり興味ないし)としては見逃せない!!

ちなみに、カラヤンもフルトヴェングラーも、世界三大オケの一つ、「ベルリンフィルハーモニー」の主席指揮者です(二人とももう亡くなってます)。

『カンニング~』は、単に「大阪」「振り込め詐欺」のキーワードに、私の興味が引っかかっただけ(笑)
あと、対談者の一人に、『大阪学』(新潮文庫)の大谷教授が入っていたというのも、購入理由の一つですが。

この竹山さん、相方が亡くなってからは、芸名を「カンニング竹山」に変更されてたんですね。
今日、本を買って初めて知りました。

『だめんず~』は、この中で唯一読み終えた本なので、あとで改めて。

『「世界の~」』は、一歩間違えばトンデモ本!?って感じですが。
(ちなみにトンデモ本を研究する学会があって、略して『ト学会』。高須クリニック院長の息子さんも会員だそうで、院長が息子さんの本棚を見たときに、自分の著作が入っていて唖然としたとかしないとか??(笑))
昔から、古代遺跡とか神話とか大好きで(笑)
実はこれと姉妹版の『「世界の神々」が分かる本』とかも持ってます・・・・

『危ない~』『怪しい~』は、今話題になっている裁判傍聴記『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』と同じ著者による本です。
この北尾トロさん、最初に知ったのは雑誌の「ダ・ヴィンチ」でした。なんか、創刊当初の「探検隊が行く!」みたいなコーナーで、隊長してらしたような記憶があります。

『裁判長!~』は、名(迷?)作です。ほとんど刑事事件の傍聴なんですが(民事で面白そうな離婚裁判とかは、関係者以外はシャットアウトらしいです。そりゃそうですね;)、被告人の様子が細かく描写されていて、それがまあ、本当に笑えるのです。被告人は一生懸命弁解しているのですが、どんなに弁解しても、「そりゃ、アンタやってるでしょ?」と突っ込みを入れたくなるような人ばかり出てきます(笑)

ちなみに同種の本に(というか、ブームの尻馬に乗ってる事は明白なんですが)、『霞っ子クラブの裁判傍聴入門』(宝島社文庫)というのもあります。
こちらも詳細に裁判のレポートがされていて、かなり面白いです。・・・どうしても二番煎じの感は否めませんが(⊃д⊂)


で、『だめんず症候群』なんですが。
コレ、創刊されたばかりの扶桑社新書の一番目の本です。ちまたは新書ブームですからねぇ・・・。一昔前だったらハッキリ言って、扶桑社とか幻冬社とかから新書が出るなんて考えもしなかったところですね。なんかこう、権威のある人にしか出版する事が許されないような、そんな雰囲気が新書にはありました。

倉田真由美さんは、タイトルからもお察しかと思いますが、マンガ『だめんず・うぉ~か~』の著者でもあります。

「だめんず」とは「駄目」と「メンズ」の合成造語で、ようは「ダメ男」ってことですが。

ハッキリ言います!!!
私にはこの本はマンガと違って面白くありませんでしたッ!!!
(言っちゃいました・・・すみません;)

なんかねぇ、倉田さんによる啓蒙本なわけですよ。
「このタイプの人がだめんずに引っかかるから気をつけなさい」とか、
「だめんずにはこういう態度をとりなさい」とか。

で、実例なんかも挙げてあって、一応それなりに説得力は感じられるんですが、ちょっとねぇ・・・(;゜д゜)
例えば、「だめんずは最初から、ダメな部分を知らず知らず見せているから、それを見逃すな」とか、
「暴力は最初に振るわれた時点で別れろ」とか、そういう教えが書かれているわけですが・・・。

確かにおっしゃる通りなんだと思います。

が、読者の大部分は、私も含めて、およそ「だめんず」とは無縁な人間ばっかりだと思われますので、そういう人間が、だめんず対処法を真面目にお説教されても、まあ「ふ~ん」ってな感じで。面白くもなんともないわけです。
評論分析的な内容ではなく、あくまでハウツー本ですよ~、というところを強調して欲しかった・・・。
だったら、私絶対に買ってませんッ!!

恐らく、倉田さんは、だめんずから被害を被っている女性に向けて書かれたのだと思います。(そうじゃなかったら、私は怒る)
そういう女性には、現状を打破するための一つの指針になることは間違いないと思います。

『だめんず・うぉ~か~』は、本当に面白いのになぁ・・・・・・

(批判めいたことを述べてしまいましたが、これはあくまでも私の主観ですので、気になる方はご一読をお勧めします。)

【今日の一発新解さん:例文編】
代わる:【-代(わ)る】(副)②何人かが入れ代り立ち代り受け渡すように同じ動作を引き継ぎ、その間に休む暇が無いことを表わす。「-つねる:-やって来て、俺のビールも飲んでくれと言う(手を出して握手を求める)」

この「代わる代わる」の説明通りなら、何人もの人がやってきては「つねる」ってことですよね???
どういうシチュエーションなのか、非常に気になります・・・・・・・・・・・・・・((((゜Д゜;))))
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2007/03/09 03:22 | Comments(1) | TrackBack() |
ペットのこと
今日は、仕事終わりにスパニョラでウィンナコーヒーを飲みつつ、マスターや常連さんたちとバカ話で盛り上がってしまいました・・・(←バカ話をしてたのは私だけだと突っ込まれそうですが・・・)

ウィンナコーヒーおいしかったです!!こんなにお店に通ってるのに、人気メニューなのに、今日初めて飲みました(⊃д⊂)


で、やっぱり人と話をしていると、普段は忘れているような事も、芋づる式にどんどん思い出してきますよね。

タイトルのペットは、「スパニョラのHPの『マスターの独り言』更新されてませんよね~、ずっと同じビー君(←マスターの飼っている犬の名前です)の写真じゃないですか~」なんて話からの話題なんですが.。(マスターごめんなさい・・・_(._.)_)
私の飼ったことのあるペットって、金魚・めだか・クワガタ・文鳥・サボテンくらいなものなんです。

そのうち、クワガタは、小学生の頃につがいで従兄からもらったものなんですが、半月も持たずに頭と胴体が分離して死亡してしまいました。一応言っておきますが、決して引きちぎったりはしていませんよッ!!
自然に離れちゃってたんです、頭と体・・・・_| ̄|○

サボテンは一生懸命「とげ太郎」って名前をつけて話しかけていたんですが、引っ掛けて落として土をばら撒く事を繰り返しているうちに、虫に食われて死んでしまいました・・・

めだかは十匹くらい飼ってたんですが、日に日に少なくなるな~、なんて思っていたある日。
水槽のそばに煮干(のようなもの)が落ちていました。
が、それは無残にも干からびためだかちゃんでした・・・・_| ̄|○
エアーポンプから出る、泡に巻き込まれて外に飛び出していたようです・・・。
今更だけど、何匹犠牲になったのかもわかんないけど、ごめんよ、めだか達・・・(TдT)

芋づる式に、こんなろくでもないことばかり思い出してしまいました・・・

将来一戸建てに住んで、シェパードを飼うのが夢なんですが、夢は夢のままにしておいた方がよさそうです。反省・・・


おまけ。
動物といえば真っ先に思い出される本が、小学生の頃に読んだ『シートン動物記』です。
(漫画だと『動物のお医者さん』ですかね~、やっぱり)
その中に確か「森の新聞・冬」というタイトルの巻がありまして、一つクイズが載っていました。

質問:「冬眠中のカエルを穴から出して、焚き火の前に置きました。さてカエルはどうなるでしょう

答え:「急激な気温変化に耐えられず、カエルは死んでしまいます」Σ(゜д゜|||)

こんな問題許されるのか、と小学生ながらに思ったことを、よく覚えています。
ちなみに、『シートン動物記』は読破したはずなんですが、これ以外の内容は一切覚えていません


【今日の一発新解さん:説明編】
ヤムチャ:濃い中国茶を何杯もお代りをして飲みながら点心・料理をつまむようにして食べる中国人の慣行。

きっと中国茶が、新解さんのお口には、渋すぎたんでしょうね・・・。
「何杯も」「つまむように」の辺りに、あまり食が進まなかったのか、その代わりに中国人を冷静に観察していた新解さんの姿が浮かび上がってくるようです・・・。

(比較:広辞苑)点心を食べながら中国茶を飲むこと。


明日は高本一郎さんのリュートのコンサートです!!
チケット完売だそうで、前売り買っといてよかった~♪

2007/03/06 22:57 | Comments(0) | TrackBack() |
昨日は強烈な睡魔に襲われて、更新しないままに爆睡してしまいました。
休みの日は十時間以上寝てたりするのに、どうしてこんなに眠たくなるのか自分でも分かりません・・・

今日は今日で、こんな中途半端な時間に更新してみたりして。
(スミマセン。皆様はきっと仕事中だろうに・・・。私は休みだったりするのです(⊃д⊂))

今日の話題は「噂」です。
昨日、以前に友人から「面白かったよー」との話を聞いていた、荻原浩さんの『噂』(新潮文庫)を読みました。

おぉ、そういえばこのブログで取り上げる初のミステリですねー(笑)

この『噂』は、WOM-Word of Mouth-による、情報操作が核になった話です。
流して欲しい噂の原形を女子高生に教えると、彼女たちのネットワークによって、次々と噂が広がっていきます。
この話では、WOMはある商品を売るための戦略として用いられています。

「これをつけてると魔除けになるよ」
「有名なハリウッドスターの部屋に必ずあるんだって」
(ネタばれにならないように、噂の内容は多少変えてあります)

しかし一方では、ライバル社を蹴落とすための恐ろしい武器にもなります。
「××社のには芋虫のエキスが入ってるんだって((((゜Д゜;))))」
「△△のとこのは、持ってると不幸になるって。私の友達もそれで事故に遭ったって・・・・」

噂とはまさに伝言ゲームのようなものですから、戦略として最初に原形を与えた企画会社にも、どのように変化していくのか分かりません。
それを逆手にとることで、企画会社は責任逃れも可能になり(というか、出所がそもそも分からなくなってしまうと言う事ですが)、しかも多大な利益をあげる事が出来るというわけです。

で、このような噂の無責任性が、この『噂』で起こる事件を難しくしているとともに、重大なカギにもなっています。
この辺は、荻原浩さんの巧さが光るところでもあります。
プロフィールには「広告製作会社勤務を経て」とありますので、虚実をうまく交えて書かれているのでしょうが、読み手にはどこからどこまでが事実に基づいているのかが分からないと言う点もまた、怖さであり、面白さでもあります。


噂といえば、いわゆる「都市伝説」といわれるものが思い出されませんか?

私が小学生の頃に流行ったものといえば
「口裂け女」です(笑)

給食で出たオレンジの皮を口にはめ込んで、
「ワタシ、キレイ?」
とかいうのが学校中で大流行でした(笑)

日本中で話題になっていましたから、同じような遊びをしていた方も多いと思いますw

他に「赤い手」っていうのもありました。
トイレの便器から血に染まった赤い手が出てくると言うものです((((゜Д゜;))))
で、これがエスカレートしてくると、当然「青い手」「黄色い手」も出てくるわけでして・・・・信号かッ
「茶色い手」がなかったのは小学生ながらに自主規制してたんでしょうか・・・失礼;

全国に広がってるものだったら、
マク○ナル○のハンバーガーにはミミズの肉が使われてる、とか(笑)
ケンタッ○ーのチキンに使われてる鶏は3本足だとか・・・
(私、チキンの噂はなるほどなーと思いました。だって3本セットに入ってくる肉、大きいはずの胴体の肉が一個だけで、手羽元が必ず2本だし・・・って、足じゃないじゃんッΣ(゜д゜|||)


大阪辺りだと、「緑のおばさん」もよく聞きますよね。
でも、これは実際に帽子から靴まで、本当に緑一色の人がいるという話も聞くので、単なる都市伝説ではないかもしれませんが・・・(←この時点ですでに都市伝説にはまってる???)

高校の通学途上には「何時ですかおじさん」出没の噂もよく聞きました。
その名の通り、交差点で信号待ちをしていると、「今何時ですか?」と聞いてくるおじさんなんですが(笑)
ひょっとしたら時間を一回聞いただけで、そんな変なおじさんにされてしまったのかもしれないと思うと、お気の毒です・・・

「チョコレートを食べ過ぎると鼻血がでる」も、一種の都市伝説ですね。
私も小さい頃によく聞きました。
まだチョコレートが高価だった頃に作られた、親の知恵だったそうですが。
ちなみに、「ピーナッツを食べ過ぎると鼻血が出る」は本当です!!!

とまあ、色々思い出しただけでもあるんですが。
こういうの大好きなんで(笑)、他に知ってる噂があれば教えてください(*´Д`*)

【今日の一発新解さん:例文編】
じりじり:①「開業二か月目あたりから客足は-と伸び始め、夏休みには一日九百人も押しかけた」
     ②「二代目は、一代目が築いた王国が-と崩壊するのをただ見まもっていたのである」
     ③「とり肉だの、えびだの、羊肉だのを竹のくしにさして炭火で-と焼く くし焼き料理」

①②③は「じりじり」には3つの意味があることを表わしているわけですが。例文長ッ!!「じりじり」という言葉に、きっと思い入れがあるんでしょうね・・・。
「とり肉を炭火で-と焼く」では、伝えきれない何かがあったんだと思います・・・(;゜д゜)

2007/03/05 14:47 | Comments(0) | TrackBack() |
ダメ人間・・・・_| ̄|○

今日は起きたら外が暗かったです。
またしても一日無駄にしてしまいました(⊃д⊂)

ダンナが友達の結婚式の二次会に行ってるので、のんびりしよ~、なんて思っていたら、のんびりしすぎました・・・(TдT)

まあ、それというのも、「明日は休みだしコレ読もう」と選んだ本に原因があるのですが。(いや、布団に入る時間自体も朝方だったけど・・・)


タイトルは『ツ、イ、ラ、ク』
角川文庫から出版されている姫野カオルコさんの小説です。

昔から姫野カオルコさんは好きで、14~5年は読み続けてます。
多分文庫本に落ちてる著作はすべて読んでいると思います。
で、どれも姫野ワールド全開で「ヒメノ式」なんて言葉も生まれてるくらいなのですが、名前を見て、「どうせ少女趣味のベタベタ恋愛小説なんじゃないの?」「世界の中心で・・・的なトレンディー路線でしょ?」なんて思ったあなた、大間違いです。というか、そう思った方にこそ、姫野作品をお勧めします(笑)

確かにこの小説のコピーって

「忘れられなかった。どんなに忘れようとしても、ずっと」とか、
 「すべての人の記憶に眠る、官能の目覚め。狂おしいまでの恋の痛み、恋の歓び」とか、
「今年度最高の恋愛文学」とか
「一生に一度の、真実の恋」とか、さらには
「苦しかった。切なかった。ほんとうに、ほんとうに、愛していた」とか、

すごい文句のオンパレードなんですが(笑) 

これは姫野小説のパロディーとしか思えません
確かに、中身的には外れてるコピーじゃないんですけど。

私自身が、トレンディードラマとか、泣ける恋愛小説とか、そういうのキライなんです(笑)
だから、たまに普通の人間ぶろうとして(普通のオシャレでカッコイイ女に憧れはあるんです・・・あぅ)ファッション誌とか、オシャレ系の雑誌とか読んでみるんですけど、やっぱり合わない・・・_| ̄|○
そういうところのブックレビューとかCD紹介で取り上げられてるものももちろん、合わない・・・

服も化粧品も大好きなんで、外見に気を遣ってないわけでは無いんですけど・・・


姫野さんの描く世界は、かなり変わっています。
というか、普通の世界なんだけど、私たちが目を背けたり、忘れてしまっている、あるいは忘れてしまいたい部分に敢えて焦点を当ててる、そんな世界。

この『ツ、イ、ラ、ク』は、都会からは忘れ去られたような、静かな西日本の一地方都市(架空の市です)が舞台です。
物語はとある小学校から始まります。

大人になってしまうと、自分たちが子供だった頃の事を忘れ去ってしまったかのように、「あの頃はよかった」とただ懐かしんでみたり、子供は天使だなんて神聖視してみたりしがちです。

でも、子供には子供の社会があり、序列があり、幼い子もいれば大人の世界を知っている子もいる。男子生徒に媚を売る子もいるし、どうすれば大人に好かれるかを分かっている計算高い子もいる。

そんな複雑な子供の世界を、作者は綿密に描いていきます。
幼かったのは、その心情を表現する言葉を知らなかったからであって、感じていることは大人と変わらない

読んでいると、自分の子供時代の事が思い出されて赤面します。
でもその後で、その頃の自分を客観視できるようになって、そして初めて物語を笑うことが出来る。
この、「引き込まれる→客観視して笑う」というループが、姫野作品の一つの魅力でもあります。

子供を描いているからといって、描かれているのは記号化された子供ではない、けれどそれは間違いなくリアリティーを持った子供であるというところに、姫野カオルコさんのすごさ、巧さがあります。

物語は中学校入学を向かえ、大きな展開を見せます。
小学校時代では群像劇が描かれていたのですが、中学校時代になると、その中から一人のヒロインが浮かび上がってきます。(まあ、最初からこの子が主人公だろうな、というのは分かるんですが・・・)

まあ、ここでどのような恋愛が展開されていくのかは、ネタばれになってしまうので控えます(笑)
勘のいい人なら、恋愛相手は○○だろうな、と分かってしまったかもしれませんがΣ(゜д゜|||)

最後は、登場人物たちの二十年後が語られます。
最後はこれしかないだろうっていうような、ヒメノ式にまんまとやられる見事なオチです。
見事にはめられて涙を流してる自分に笑えます。(←物語中もそうなんですが、切なくて泣けるシーンとかしっかりあるんですよ)

普通の恋愛小説が好きじゃないって方、ぜひ姫野作品をお勧めします。
でも、トレンディードラマのような、オシャレで格好いい話が好きな方は、やめておいたほうがいいかもしれないです・・・。


で、この本は途中でやめられなかったもんで、三時間読み続けて無事読了し、その後暗くなるまで爆睡していたという次第です・・・_| ̄|○


【今日の一発新解さん:例文編】←適当に開いた見開き一ページの中からお送りします(笑)

半ドア:自動車のドアが完全にしまらない状態。「-で走る。」

いっそこんな例文、なくていいんじゃ!?と思わずにはいられません。


2007/03/03 22:09 | Comments(0) | TrackBack() |
マイブーム新解さん
10年ほど前、赤瀬川原平さんによる『新解さんの謎』(文芸春秋)という本が大ヒットした事を覚えていらっしゃる方も多いと思います。
その後、夏石鈴子さん(編集者の方で、赤瀬川さんにこの『新解さん』ネタを提供した方です)による『新解さんの読み方』(角川文庫)という本も出版されました。

「新解さん」というのは、三省堂から出版されている『新明解国語辞典』の愛称です。(命名:夏石女史)

なぜブームになったのか。
国語辞典という、表記に客観性が求められる種類の書籍にも拘らず、思いっきり主観に走った説明が、これでもかッというくらいに成されているからです。
あるいは、痒いところだけではなく、痒くないところにも手が届く説明がされている。
または、「国語辞典で初のかぞえ方欄を新設」と得意げに謳っている。
それとも、なぜこれを?と誰もが首をひねるような例文が掲載されている。
・・・・・いずれも、新解さんに特徴的な要素です。

私は、自慢じゃありませんが、この「新解さん本」が出版される前から、「何かこの辞書、普通なのかなぁ??」という疑惑は、薄々抱いていました。
(ちなみに私が所有しているのは93年1月発行の『新明解国語辞典 第四版』の第10刷です。)

たまたま行った本屋さんで「小型版」というサイズで売られていたのが、新解さんだけだったというのが購入のきっかけでした(笑)

ある日、「一昨日」を「おとつい」と言ったところ、周りの人に「おとといだろー?」と突っ込まれ、「おとついって言うって!!」と反論するために、この新解さんを開いたのが、疑惑への第一歩でした。

おとつい:「おととい」の老人語

「老人語!?」
そんな言葉はあるのかと、続けて「老人語」を引きます。

老人語:すでに青少年の常用語彙の中には無いが、中年・高年の人ならば日常普通のものとして用いており、まだ死語・古語の扱いは出来ない語。

・・・私の言葉は老人語だったのか。まだ若いのに(涙)
とショックを受けましたが、なんとなく腑に落ちず、しつこく今度は広辞苑を引きました。

すると、老人語なんて項目、
広辞苑には存在しないのです!!!

そうです。「老人語」という項目自体に、新解さんの主義主張が表れていたわけです(;゜д゜)
「まだ現役じゃあ~」と、ヨボヨボしながらも存在をアピールしている言葉たちに、新解さんが差し伸べた愛の手だったのです!!!(多分・・・)

まあ、広辞苑では「おとつい」を引くと「⇒おととい(『おととい』を引けってことですね)」と書いてあるだけなので、わざわざ老人扱いをしている新解さんの方が、余計なお世話って感じもしますが・・・

で、新解さんですが・・・

テレビなんかでも「逃げる」の例文が
「刑務所から-」
になってるなんて、最近も取り上げられてましたのでちょこっと話題になってましたね。

私に再びマイブームが起こったのは、先日仕事中に(仕事柄辞書はかなり引くのですが)「端的」を調べたことがきっかけでした。

「端的」自体は普通の説明なのですが、視界の隅にちょこっと入ってきた「短刀」の項に釘付けになりました。

短刀:人を刺すのに使う、短い刀。

短刀って、人を刺す事に用途限定だったんですかーーーーーーーーーーーーーーッ!?
(いえ、広辞苑にはそんなこと書いてません)

ということで、久々に熟読した新解さん(笑)
「あ」の項だけですが、突っ込みどころ満載です。列挙してみますんで、小ネタにでもお使い下さい(笑)

【説明が逝っちゃってます編】
愛飲:日ごろから好んで(牛乳などを)飲むこと。
(健康のため、新解さんは牛乳を推奨しています)

アイシャドー:まぶたに塗る、青・灰色などの化粧品。
(すみませんが、灰色のアイシャドーってそんなに市民権得てないと思います・・・。広辞苑の色は「青と茶」でした)

あおみどろ:緑藻類の水草。トロロコンブを溶かしたような状態で緑色。水田・池・沼など淡水に生じる。
(およそ衛生的とはいえない項目に、あえて食べ物をもって説明するこの斬新なセンスがたまりません)

秋田:「秋田犬」の略。
(・・・・・・・・・・・秋田の項、これしか説明ありませんけど、本当ですか?????)
ちなみに、土佐犬も柴犬も略は「土佐」「柴」とは書いてありませんでした。

悪妻:第三者から「わるい つま」と目される女性。〔被害者たる当の夫は案外気にしないことが多い〕
(悪妻持ちの男性にインタビューでもしたんでしょうか・・・?結構言い切っちゃってますけど)

悪筆:いくら丁寧に書いても、へたとしか言いようの無い字。
(確かにそうでしょうけど、辞書にこんなこと書かれては身もフタもありません)

跡目:〔ばくち打ち・政党の総裁・芸道の家元などの〕次代の後継者。
(なぜ、最初に『ばくち打ち』!?)

暗君:ばかな・国王(殿様)。
(「ばか」・・・・説明に用いるのには勇気のいる表現だと思います)

安全かみそり:横に使わない限り皮膚を傷つけないように工夫した西洋かみそり。
(使い方まで指南してくださいます)

【自信満々かぞえ方編】
愛染明王     一体  
           (説明は愛染明王それ自体の説明なのに、数え方は突然
           「像」になってます)
青筋        一本
あおのり      小売の単位は一瓶・一袋  
           (何でも数えられる形にしないと気が済まないみたいです)
赤い羽根     一本  (私は数えたことありません)
赤味噌      小売の単位は一袋・一パック・一樽  
           (新解さんは『小売の単位』が大好きです)
空き家       一軒
アクセサリー   商品は一点・一本  (まあ・・・確かに・・・・・)
悪魔        一匹  (サタンやルシファーも一匹なのでしょうか・・・)
雨         一滴・一粒  (「二滴」以上って使ったことないんですけど)
アンモニア    小売の単位は一袋


【衝撃の例文編】
愛称        例、山本・さん(君)→山さん・山ちゃん・山・ヤーサン

あう        ②(偶然に)好ましくない事態を経験する。
           「夕立・(交通事故・こわい目・火災・伏兵・袋だた
       き
・反対・抵抗)に-」

辺り        「山本君-〔=なんか〕が適当だ」

あっ        「-と驚く(為五郎)

アンチ       「-巨人


コレでも数を絞って載せてます^^;

赤瀬川さん、夏石さん御両名が著作の中でも言及されているように、辞書なのに人格を持っている、それが新解さんです。

私も、新解さんワールドを引き続き探索したいと思います。 

皆さんも面白い発見があったら教えてください(笑)          


2007/03/01 02:58 | Comments(3) | TrackBack() |

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